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『“格”の違いで差別化を図る』~社員が輝く現場に学ぼう

「ブランド力を高めたい!」と考えている企業は多い。

“ブランド”力を高めれば、他社との差別化を図り、競争に巻き込まれなくなる、といった効果も見込まれるので、
その為の方策を展開しようと考えるのは間違いではないが、どうしてもメディアを活用した広告宣伝の話になってしまいがちだ。

“ブランド”とは、会社の“格”である。
圧倒的な力の差を意味して「 “格”が違う」という言葉が使われるが、その“格”のことだ。
誤解しないでもらいたいのは、この“格”は会社の規模をさしている訳ではない。

この「経営参謀の視点」で以前取り上げた「六花亭」は、売上規模でいうと180億円位だが、
「“格”の違い」でしっかりとポジションを確立している企業だと思う。

北九州に拠点をおく「ハローデイ」というスーパーマーケットも、
“アミューズメントフードホール”というコンセプトに基づいて社員がイキイキと働く“格”をもった会社だ。
売上高は約616億円で流通大手と比較した場合の規模は小さいが、19期連続増収増益を果たしている。

岐阜県の「タニサケ」は、会長自ら「時を守り、場を清め、礼を正す」を実践すべく、
朝6時に出社してトイレ掃除をしている会社で、売上規模は約10億円だが経常利益率は30%と驚くべき数字を出している。
社員数は40名弱だが、その社員からの改善提案が月200件以上も出される元気な会社だ。

よく事例に挙げられる「東京ディズニーランド」はテーマパーク業界において、
「リッツカールトン」はホテル業界において、やはり「“格”の違い」で差別化を実現している。

つまり、“格”とは宣伝広告などのイメージで創り上げられるものではなく、
企業経営の根幹部分から滲み出てくるものだと考えた方が良いだろう。

「創業者の気持ちでお客さまに向き合える社員」
「イキイキワクワク働いている社員の元気が感じられる現場」
「変えるべきもの、変えてはならないものが共有されている現場」

こういった“格”の要素が現場で具現化される仕組みを作り上げることが大切だ。

ひとつ「ハローデイ」の事例を紹介しよう。

店舗を構えて商売する小売業の場合、経営者や幹部は店舗まわりをするが、多くの場合、その目的を“改善指導”と位置づけている。

よくある光景は、怖い顔をしてやってきた幹部を戦々恐々と迎える現場スタッフ。
その現場スタッフの状況報告を聞き、店舗のクリンリネス、売場、等々を確認し、「ここがダメだ。」「あそこもダメだ。」と“ダメな点”をどんどん指摘する幹部。

ひと通りダメ出しした幹部が店舗から立ち去ると、「やっと、いなくなったよ。」とホッと一息入れる現場スタッフ。と、まあ大体こんな感じなのではないだろうか。

「ハローデイ」に見習うべきは、この店舗まわりの目的を、“長所発見”の場として明確に定義づけていること。
“長所発見”とは、各店舗で独自に工夫しながら実行に移している事例を、「見つけてあげること」、「笑顔で体験、試食すること」、「担当しているスタッフを褒めること」、「握手しながら、感謝、感動の言葉を贈ること」だ。

こんな社長が、幹部が、店舗を回っているのなら、

「今日の売場は、どんな見せ方にしようか?」
「この商品は、どうすれば買ってくれるかな?」

日々、現場スタッフは一生懸命工夫するようになる。

社員が輝きながら働く現場が、その積み重ねで「“格”の違い」を創り上げていく。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。