MENU
×

MENU

新卒採用

船井総合研究所の藤堂薫と申します。

3月に入り、各社の新卒獲得競争も一段と激しさを増していることと思います。

2008年春の大卒採用数は4年連続で2ケタ増の成長をみせ、就職率についても過去20年間でもっとも高く、バブル最後の一年と言われた1991年(81.3%)に来年度は近づくとの見方もあり、各社の採用はますます厳しい局面を迎えています(日本経済新聞社調べ)。

採用競争の激化により、企業は「人材の確保」に一様に躍起となっていますから、採用する側の企業と採用される学生の力関係は「企業<学生」となります。

さらに大手企業では、多数の内定者辞退を見越した大量採用が当たり前となってきており、他社より少しでも優位に立つため、月30万円台の初任給や内定の前倒しなどのさまざまな対策をとっています。

このような状況下で、ブランド力に劣る中堅企業が大手企業と対等に渡り合っていくためには、採用の力点を変えていく必要があります。

すなわち、大手企業が「内定辞退者を見越した大量の人材の確保」をゴールと設定するのに対して、中堅企業では、「少数の欲しい人材を、内定~4月の入社までの間、決して辞退させない」ことが重要になってきます。
実は競合である大手企業の戦略(大量採用)は、次のような特徴を抱えています。

● 大量の人数を選考するために採用フローが短縮化・短期化する・優秀な学生を確保したいために、他社よりも早い時期に内定を出す。

● 内定者が多数存在するため、学生一人一人に対して内定後のフォロー(内定者懇親会や勉強会など)が手薄になりがちである。

「青い鳥症候群」「内定ブルー」という言葉をご存知の方も多いのではないでしょうか?

上記のような結果、簡単に内定が取れてしまったために内定獲得~入社までの間に「本当にこの会社でよかったのか? もっと良い会社があるのではないか?」と悩んだ挙句、内定を辞退・就職活動をイチからやり直す学生が急増しているのです。

つまり、「内定を出す」ことをゴールとする採用が、学生にとっては「自分自身をしっかり見てくれていない」という不安につながり、この不安が内定後も解消されないままですと次第に不満となり、内定辞退者の続出を引き起こすことになります。

よって、中堅企業ではこれら学生の「自分自身をしっかり見て選んで欲しい」というニーズに応えていくことが重要になってくるのです。
具体的には、

(1)選考の段階ではむやみにフローを短縮せず、きちんと時間を取って学生の考えや疑問を聞き出す。

⇒ きちんとあなたを見ていますよ、他の誰でもないあなたに来てほしいと思っていますよ、という姿勢を伝える。

(2)企業側のゆとりを見せる。

⇒ 容易に手に入ってしまった「内定」は学生にとって当然魅力の低いものに映ります。

学生にとっては「高いハードル」=「苦労して獲得した内定」にこそ「自分の価値を認めてくれる企業」という印象を持つため、結果として入社意志が高まることにも繋がります。

従って、早期の内定出しを行わないと共に、「他社を見比べた上で自社に決定して欲しい」というゆとりを見せることが必要です。

学生は当然いくつもの会社を見比べていますが、敢えてこちらから他社と見比べることを勧め、選考期間に余裕を持たせてあげることで、企業側の自信を感じ取り、より魅力を感じるようになります。

(3)手厚いアフターフォローを行う。

⇒ アフターフォローの時期には他社の選考を受けることに対して圧迫するような企業がありますが、これは入社後の定着率に悪影響を及ぼすため、明らかに逆効果です。

あくまでも「内定は後出し」にし、内定を出した後は定期的に食事や勉強会の場を設けるなどして、一人一人の気持ちや迷いを吐き出す場を設けましょう。

内定後の時期は大学内の友人と自分の内定先を冷静に比較し始める時期でもありますので、「隣の芝は青く」見えるのが当然ですが、この時期に内定者同士で集まる機会があれば、「同期間の仲間意識」を醸成することにもつながり、いっそう定着を高める効果が望めます。

以上、当たり前の考え方ばかりですが、やり方については各社様で現行の採用活動に十分にアレンジを効かせることが出来るのではないでしょうか。

内定後に最後に選ばれる1社となる為の方法の一つとして、少しでも皆様のご参考となれば幸いです。