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社員をダメにする評価制度

「できるだけ、公平で納得性の高い評価制度を作りたい。」

人事制度のコンサルティングを受ける際に、もっとも多いリクエストです。

そして、「客観的基準」という言葉も、評価制度の構築プロジェクトのなかで出てくるキーワードの一つです。

さすがに「公平性や客観的基準は、必要ない。」とまでは言いませんが、それに固執した企業組織では、上手く運用できているケースは100%ないと断言できます。

◆ 評価制度の間違い「主観で評価してはいけない」
「評価者の主観で評価してはいけない」は、はっきり言って間違いです。好き嫌いや感情だけで評価することは、避けるべきですが、最後は主観で決める必要があります。客観性や客観的基準に拘りすぎると、本来の評価が出来なくなります。評価基準の設定のしやすさと、その企業や仕事において大切なことは違ってくるからです。

ひとつ「お辞儀」を例にあげて説明しますと、「お辞儀の角度」は基準化できます。しかしどれだけ心を込めているかは基準化できません。しかし、大切なのは角度ではなく、どれだけ心を込めているかにあるはずです。また、全員が同じフィールドで、同じゲームをやっているのであれば、「客観基準」を設定することが出来るかも知れません。

仮にそうであっても高いレベルになればなるほど、評価者の主観によるところが大きくなります。(典型的な例を挙げれば、オリンピック級の採点競技です。)通常のビジネスにおいて人事評価とは、別々のフィールドで行われる採点競技のようなものです。いくら細かく基準を設定しても、基準に達しているか否かを判断するのは評価する人間の主観に過ぎません。

◆ 評価制度の間違い「納得性」の固執
子供の頃、学校には脚光を浴びる人気者という存在がいました。面白い、かっこいい、やさしい、勉強ができる、運動神経がいいなど、人気者の要素を挙げることはできますが、実際にどの程度面白ければよいのか? どの程度かっこよければよいのか?を数値化して、全員に納得させることは不可能です。ビジネスの世界でも 仕事の出来る人がいます。デキる人材の特徴を、計画性・専門知識・交渉力などと挙げることは可能ですが、それも仕事がデキる人の要素であって、基準ではありません。

まして評価の公平性云々を主張する人は、ほとんどが評価の低い人です。いくら、丁寧に説明しても、理解してもらえるものではありません。前述したように「納得性」を高めることが主目的になってしまい、本来の目指すものがおろそかになっては、本末転倒です。

◆ 一番の課題は、「絶対基準」がないと評価できないと考える管理職
人事制度のトレンドが、如何に客観性を高めるか? 如何に納得性を高めるか?に傾きすぎたように感じています。どんどん深みにはまっている制度や企業が増えています。最後は、自信を持って「総合的判断」を下せる時代になってきました。「評価されないと文句を言う前に、評価したくなるように行動を変えろ!」と言える強い管理職を育てていけるような 評価制度が必要な時代ですね。

山田 公一
株式会社船井総合研究所 チーフ経営コンサルタント
大手化粧品会社で、11年にわたり営業、販売スタッフ及び小売店指導に従事し、2001年 船井総合研究所に入社以来、「利益=社員数×生産性」の方程式を信条として、やりがい の持てる人事(評価・賃金)制度の構築及び運用の支援、管理職研修をおこなっている。 著書に「やさしくわかるお店の数字」(日本実業出版社)「パートアルバイト採用戦力化・定着マニュアル」(同文館出版)