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有価証券報告書から時流を掴む 4

前回までで財務3表の「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」についてご説明しました。今回は、「セグメント情報」についてご紹介いたします。

セグメント情報は2010年度から作成が義務付けられた、比較的新しい項目です。経理の状況のかなり後ろのほうに掲載されており読み飛ばしてしまいがちですが、企業の状況をより詳細に理解することができるため見逃せないポイントです。

セグメント情報の開示には「マネジメント・アプローチ」という考え方が取り入れられています。これは、「最高経営意思決定機関が経営上の意思決定を行い、また、企業の業績を評価するために使用する事業部、部門、子会社または他の内部単位に対応する企業の構成単位に関する情報を提供」するというものであり、会社全体のビジネスを経営者がどのように切り分けて考えており、限られた資源をどのように投下していこうとしているか、を表しています。具体的には、経営者が意思決定や業績評価をするための基礎となる、「売上高」「営業利益」「減価償却額」「資産・負債額」「減損損失」「のれん・のれん償却額」、これとは別に「地域別の売上高」「地域別の有形固定資産」を開示します。

たとえば、ソニー株式会社を見てみましょう。

セグメントは多岐に分かれており、「モバイル・プロダクツ&コミュニケーション」、「ゲーム」、「イメージング・プロダクツ&ソリューション」、「ホームエンターテイメント&サウンド」、「デバイス」、「映画」、「音楽」、「金融」、「その他」で構成されています。

売上が多いセグメントは、「モバイル・プロダクツ&コミュニケーション」、「ホームエンターテイメント&サウンド」、「金融」となっていますが、「モバイル・プロダクツ&コミュニケーション」、「ホームエンターテイメント&サウンド」はともに赤字部門であり、「金融」セグメントがメーカーとしてのソニーをカバーしていることがわかる内容になっています。

ソニーのように多角化した企業ではいまどこの事業に力を入れていて、どこの事業で稼いでいるのかがわかりづらいケースが多いですが、セグメント情報の内容を頭に入れて会社のビジネスを理解しておけば、各業界でのイベントが企業にどのような影響を与えるのか、がわかりやすくなるのではないかと思います。

セグメント情報は、「経営上の意思決定を行い、また、企業の業績を評価するために使用する」という文言にもあるように、まさに経営者の目線で会社を評価し、将来を考えるのに役立つ情報なので、これを足がかりに情報を深堀していければよいのではないでしょうか。