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BtoC業界から学ぶ:収益向上の基本2~まずは足元から強化~

本稿では、一般消費者にとってなじみ深いBtoC業界(小売・飲食・サービス業)の管理職であるスーパーバイザーの仕事術を通じて、「ビジネスにおける収益向上の基本」をお伝えいたします。

◆業績アップには優先順位が存在する
スーパーバイザーには、その時々の状況に応じて、店舗の業績を最大化するための施策立案・実行支援スキルが求められます。

【1】店舗を新たにオープンさせた時
【2】店舗オープンから数年経過し、認知度はある程度高まった時
【3】店舗オープンから長期間経過し、競合との競争が激化している時
それぞれ、状況によって店舗で講じるべき対策は変化していきますが、
「実行すべき打ち手」を考える上で大切な視点があります。

それが「商圏範囲別のシェア」の視点です。

例えば、上記【1】のケースで、
スーパーバイザーのあなたが実行すべき施策は
以下のうち、どれになるとお思いでしょうか。

A:足元商圏のシェアアップ(利用客数アップ)
B:足元商圏のシェアアップ(顧客当り単価アップ)
C:より広域の商圏から顧客を獲得できるようにする為の施策実施

限りなく正解に近い答えが
本稿のタイトルにあるように「A」となります。

600_01BtoC業界から学ぶ:収益向上の基本2~まずは足元から強化~

◆足元商圏のシェアアップ(利用客数アップ)から着手すべし
なぜ、足元商圏内のシェアアップ(客数アップ)から着手していく必要があるのでしょうか。

それは、
【1】改善可能性が高い
【2】短期で改善が可能
【3】改善にかける労力・コストが少ない
以上の点から説明をすることができます。

【1】の改善可能性について、
一般的に、商圏範囲が足元から離れれば離れるほど、自社の影響度は
低下していきます(利用利便性の低下・競合出現率の上昇が原因)。

よって、業績アップを実現するためには、
自社の影響力が及びやすい足元商圏のシェアアップ
(利用客数アップ)から着手することが効率的といえるのです。

【2】の短期で改善が可能な点について、
足元商圏の顧客は、距離的に自店舗へ来店する
可能性が高い顧客であるため、来店頻度及び来店チャンスが
高い顧客であると言えます。

1ヶ月に1度しかこない顧客に向けた改善施策よりも
毎週・毎日きてくれる顧客に向けた改善施策の方が
改善実現にかかる時間は短くてすむ、という理屈ですね。

最後に【3】の改善にかかる労力・コストが少ない点について、
この点は【1】【2】点とほぼ同意であり、
短期間且つ効率的な改善が可能であるため、
それにかける労力・コストもおのずと
抑制することが可能となります。

また、補足として足元商圏シェアアップでも
単価アップの優先順位が低い点についてもご説明いたします。

理由としては、1人のお客様が年間で特定商品に
消費できる金額には上限があることが挙げられます。

つまり、既存顧客の単価アップに注力しても
消費のタイミングがスイッチするだけで、
年間を通じた業績アップにはつながりにくいということですね。

よって、まず新規顧客(ライトユーザー)を獲得し、
その後から高単価客に育てていくステップを踏むことが
効率的といえるでしょう。

◆自社の商圏範囲を把握しよう
以上、業績アップの基本として、足元商圏内シェアアップの重要性をご説明させていただきました。

本稿をお読みになって
「そもそも、自分たちのビジネスの商圏範囲はどのくらい?」
「足元商圏の範囲はどのくらい?」
と思った方もいるかと思います。

基本的に商圏範囲はビジネスモデルの専門性により変動するとされており、
代替性や最寄性が高く、商品単価・希少性が低いビジネスモデル※1の場合は商圏範囲は狭まり、代替性や最寄性が低く、商品単価・希少性が高いビジネスモデル※2の場合は商圏範囲は広まるとされています。

<※1の例>
■コンビニ・自動販売機・1000円カット・牛丼チェーン 等
■徒歩圏内の商圏範囲であることが一般的
<※2の例>
■自動車販売・ジュエリー店・その他専門店 等
■自動車30分以上の商圏であることが一般的

ただ、上記商圏範囲は一般的な概念であり、ビジネスモデルによりその範囲は変動します。

本稿では、商圏の考え方から業績アップの優先順位をご説明させていただきました。
この考え方は、店舗や施設を構えている企業様には、基本的に当てはまる考え方でございます。
自社で会員カード、又は顧客名簿をお持ちの企業様でしたら、商圏範囲及び商圏範囲別の売上シェアを算出してみてください。足元商圏において、特にシェアが低いエリアがある場合は、そのエリアから集中的に販促・活性化施策を講じていくことが効率的となるでしょう。

吉田 創
株式会社船井総合研究所
入社以来、業種・業態・規模を問わず様々な領域にてコンサルティングに従事。 小売業界では、CVSチェーンのSV教育から売場レイアウト支援、家具チェーンでの業務効率改善、サービス業では温浴施設・レジャー施設の業績改善支援に至るまで、様々な切り口でのコンサルティングを経験。 近年はBtoC業界を中心に、多店舗展を行う企業における「スーパーバイザー体制強化」を通じた既存店業績アップ・マーケティング体制改善をメイン領域としたコンサルティングを展開している。