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海外代理店との取組み

日本から海外マーケットへの取組みを行うにあたって、代理店の活用は有効である。

代理店を活用することで、

1)現地に密着した顧客サポートができる
2)現地言語での対応ができる
3)現地人脈を活用した新規顧客開拓ができる
4)代理店があることで、顧客の安心感を訴求できる

など、様々なメリットがある。

優秀な代理店と一緒に取り組むことができれば、代理店が現地で既存顧客のフォローと新規顧客開拓を進めてくれるため、当該国におけるマーケティングはスムーズに進む。

現地市場開拓がうまく行かない場合、多くの企業は、代理店の能力に問題があると考える。しかし、実は、現地市場開拓がうまく行かない場合、代理店の能力に問題があるのではなく、代理店にとって、自社の製品の優先順位が低いということが理由であることが多い。この場合は、仮にその代理店契約を解約し、新たな代理店を選定したとしても、同じことの繰り返しとなる。

代理店の優先順位が低い理由の多くは、製品の市場性がそもそも乏しい、というか、代理店が、製品の市場性がそもそも乏しいと考えている、ということに起因している。代理店としては、顧客に数回アプローチして、どの顧客も関心を示さない場合は、その製品の優先順位を下げることは当然である。

そこで、私は、代理店を活用した現地市場開拓がうまくいかない場合は、安易に代理店を変更するのではなく、一度自社自身でできることを、まず実行していただくことをお勧めしている。
代理店自身が、その製品の市場性があると認識する段階までは、自社で活動した上で、その後代理店に委ねるべき活動に関しては、バトンタッチするくらいの気持ちで取り組む方が市場開拓はうまく行く。代理店としては、売れるとわかった段階で自社にバトンタッチしてもらえれば、その製品の市場性に疑問を抱くことはまずない。

それでは代理店の意味がないのではないか、自社で市場開拓ができるならば、最初から代理店を任命する必要はないのではないかと思われる方もいるかも知れないが、そうではない。自社でできることと、代理店でできることを明確にして、一緒に現地の市場を開拓していくことが、本当の意味で代理店を活用しているということなのである。

そのために、先週のコラムでご紹介させていただいた、現地マーケティングのための、WEBサイトやカタログの役割が有効となる。WEBサイトを通じて入ってきた引き合いを代理店に積極的にまわし、代理店からコンタクトをしてもらうのである。

WEBサイトを通じて問い合わせをしてきた顧客は、そもそも興味があるから問い合わせをしてきているので、代理店からコンタクトをすれば、代理店からのコンタクトを拒否することはまず考えられないし、むしろ、顧客は現地のサポート体制がしっかりしていることに対して安心感を抱くはずである。

このように、自社に入った引き合いを代理店に回していけば、代理店としては、効率がよく、かつビジネス成約の可能性も高いので、自社製品の取組みに対する優先順位を下げることはない。

代理店と一緒に市場開拓に取り組むにあたって成功している事例をルール化してみた。

1)代理店とビジョンを共有すること。
例えば1年後の売上目標を一緒に決めるなど。

2)代理店と自社との役割分担を明確にすること。
決して代理店に丸投げするのではなく、一緒に取り組むという姿勢を明確にすること。

3)代理店が十分収益を得ることができるスキームを確立し、
代理店のモチベーションを高めること

4)自社製品を現地で販売するにあたっての教育研究など、
代理店が実力を身に着けるための投資を惜しまないこと

5)自社で開拓した顧客に取り組む場合でも、代理店を尊重すること

代理店はあくまで自社のサポート役であり、市場開拓の主役は、自社自身である。現地の代理店の動きに課題をもたれている方は、ぜひ、自社主導のマーケティングの立場から、代理店の活用法を考えて見ていただきたい。