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金融機関との付き合い方

不景気下において変わる金融機関の意識。政権交代によってその変化は加速しています。

金融機関はあなたの会社をどう見ているのか? 金融機関の目線を理解し、自社の資本政策、事業活動を見直しましょう。

■ 金融機関の意識変化

亀井金融担当大臣の中小企業の弁済猶予発言に端を発し、各金融機関が早急な対応を迫られています。各行がこぞって元本弁済を猶予する金融商品の開発を行っていると一方、一部では貸し渋りや貸し剥がしが始まっているという話も耳にします。

実際に私どもにも金融機関や事業会社から事業再生や経営計画策定の話が増えてきています。実はこの傾向はリーマンショックから始まっています。今後益々変わっていくことは必須と言えるでしょう。皆様方は金融機関と良好な関係を築けているでしょうか。本日は金融機関と事業会社の発想の違いについてお話をさせていただきます。

■ なぜ貸し剥がし/貸し渋りが増えているのか

私が関わった複数の案件において共通しているのが、金融機関の発想と事業会社の発想に隔たりがあるということです。一般に金融機関へ弁済のリスケを申し出る場合、金融機関は経営計画の提出を求めます。私たちはこの経営計画の作成のお手伝いをするケースが多いのですが、事業会社の方にヒアリングを行うと「なぜ金融機関がそんなことをさせるのか分からない」という意見が必ず出てきます。こうした意見の背景にあるのはPLベースでの営業成績が好調であることがほとんどです。

「過去数年間経常利益でずっと黒字を出してきた」「この不況下でも利益率の向上ができた」といういずれもある意味で正しい意見です。とは言え、金融機関がなぜそのような対応を行うのかを考える必要があります。金融機関は通常債務者を下記6つに区分して管理しています。

 (1)正常先
 (2)要注意先
 (3)要管理先
 (4)破綻懸念先
 (5)実質破綻先
 (6)破綻先

この区分にしたがって、金融機関は貸倒引当金を積んでいます。これまでは要注意先に区分されていても特に問題はなかったのですが、今は「正常先にして引き当てを取り下げたい」というニーズが高くなってきているようです。これが貸し剥がし、貸し渋りが増えている背景です。

■ 自社の有利子負債を見直そう

一般に運転資本を除いて、有利子負債はEBITDA(税引前利益+支払利息+減価償却費)の10倍程度が金融機関の目安になっています。償還年数が10年を超えると危ないということです。この目安を超えている場合は早急な資本政策の見直しが必要です。特に金融機関が危険視している建設・不動産業界や有形固定資産に多くの含み損を抱えている企業は要注意です。

■ 中期経営計画策定のポイント

最後に、金融機関に対して提出する中期経営計画を作成する際のポイントについて簡単に述べておきます。

【1】 「計画は目標ではない」ということを理解する
金融機関はリスクを嫌う傾向にあることは申し上げるまでもありません。市場が縮小している中、業績が向上するというプランを描くことはかなり難度が高く、注意が必要です。計画策定の際には、どうしても「目標」や「自社としてここまでは確実に行く」と思うレベルで作成してしまいがちですが、市場環境が今後どう変化するかを客観的に分析し、自社の「目標」ではなく、市場トレンドと合わせた計画値を作らなければなりません。

【2】 外部の目線を入れる
「客観性があるか」という目線で計画を精査する彼らにとって、外部の目線が入っているかどうかということは計画の評価に直結します。会計士・税理士・コンサルタントなどを上手く活用し、「外部のお墨付きを得ている」ということをアピールしましょう。

【3】 リスクを網羅する
明るい未来を描いても金融機関はまず信用しないと考えた方が良いでしょう。むしろ彼らの最も関心を示すのはリスクですので、市場・自社の抱えるリスクは全て網羅した上(計画に盛り込むにしろ、盛り込まないにしろ)、計画を策定しなければなりません。
さて、これまで金融機関をかなり悪いイメージで書いてしまったかもしれませんが、最後に助けてくれるのもまた金融機関であり、彼ら以外に助けてくれる機関はありません。今後も上手に金融機関と付き合っていきましょう。