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地域ブランド作りの舞台裏 シリーズ【10】 「地方創生のインフラ 地域おこし協力隊 展開のポイント」

みなさま、こんにちは。新年も明けて1週間が過ぎようとし、まちなかも活気付いてきましたね。地方創生の現場も徐々に新年度に向けて活動が活発になる時期です。私がお伺いする地域も、来年度事業の組み立ての真っ最中。来年度の動きについて住民、行政、企業の皆さまで喧々諤々の議論が続いています。その中でも特に去年と異なる点は、これまでにもご紹介してきた地域おこし協力隊の皆さんの活躍です。

しかし、一方であまり活用が進んでいない地域も散見されます。せっかく難関をくぐりぬけ地域での新しい活躍の目玉となる彼らですが、活躍していくにはいくつかのポイントがありそうです。今日は、特にその中でも受け入れ環境の整備にしぼって、そのポイントを3つご紹介したいと思います。まず、今日は受け入れ環境の整備です。

■ポイント1 行政による受け入れ環境
第一に大切なことは、行政による受け入れ環境の整備をしっかり行うことにあります。特に気をつけて頂きたいのは自治体の一職員として受け入れるようなことはないように…ということです。地域おこし協力隊は、もともと彼らのオリジナリティのあるアイデアを地域に活かして活性化することを目的に選ばれています。ただしその職位は、「臨時職員」と言う形態をとらざるを得ないため、結果として臨時職員として扱われてしまう、という側面があります。特に現場を訪れると、制度について理解をしていない職員が多い場合は、どうしてもその傾向が強くなります。ここは注意が必要なポイントです。

さて、ではどのようにすれば誤解なく受け入れられるのでしょうか。そのための一つの答えが自治体でのミニセミナーの複数開催です。例えば、朝礼や業務終了時に有志でまちおこしセミナーを開催し、その一環として「地域おこし協力隊」の説明を行うと効果的です。私もいくつかの自治体で、このような形でインフォーマルにお話をさせていただいていますが、確かに理解度が進んでいると感じます。

■ポイント2 地域による受け入れ環境
第二に大切なことは、地域における受け入れ環境を整備することです。地域側でも、やはり一部の方々は「地域おこし協力隊が来た」=「お手伝いが来た」と勘違いすることが多いので、注意が必要です。しかし一方で、地域おこし協力隊は地域との信頼関係構築のために一定程度のお手伝いは必要、という側面もあります。このバランスを、新しく来たばかりの協力隊の隊員が取っていくことは非常に難しいです。ではどうすれば、地域側の受け入れ態勢が整えられるのでしょうか。

一つの答えは、自治体の受け入れ部署による地域向けの事前説明会の開催です。まずは、部署から地域おこし協力隊の目的や意義、活動期間などについて説明し、単なるお手伝いをする人材ではないことをしっかり理解してもらいます。一方、地域おこし協力隊には、当初はしっかりお手伝いをするようにお願いします。すると、あまり手伝ってくれないと思っていた協力隊が積極的にお手伝いしてくれるので、信頼関係も醸成しやすく、また独自アイデアのまちおこしへの移行もスムーズに進みます。このように自治体の職員がバランスを取りつつ、地域側と協力隊双方から歩み寄る環境が生まれれば、活動は軌道に乗りやすくなります。

■ポイント3 チェック環境の整備
最後に大切なことは、活動の進捗についてある程度チェックできる環境を整備することです。地域おこし協力隊は、もともと彼らのオリジナリティのあるアイデアを地域に活かして活性化することが主目的であることは確かですが、自由度を高く設定しすぎると活動そのものがあいまいになってしまうリスクをはらんでいます。そのため目的の達成に向けて各段階でどのような状態になっているかは、地域おこし協力隊の雇用者である自治体もまた本人もしっかり把握している必要があります。では、どのような仕組みが必要でしょうか。

大きくは、仕組みは短期、中期、長期に分かれます。短期においては、1週間単位のチェック環境として日々の活動を日報形式で送ってもらうという手法があります。日々の活動やその成果、学びなどをまとめていくと、結構な分量になりますのであとで振り返りやすくなります。中期では日報などの情報をもとに、1ヶ月単位で少し長めのミーティング時間を設けることをオススメします。ここでは、年単位で考えた場合の目標への到達具合や、行動を考えましょう。そして最後は半年、もしくは1年に1度の報告会の開催です。地域やその他の行政スタッフの前で発表することを嫌がるかたも多いですが、自らの活動実績やこれからの計画をまとめる上で発表は地域のみならず、本人にも大きな力になります。

このようないくつかの仕組みを用いながら、まずは受け入れ環境を整えることが地域おこし協力隊本来の力を発揮させ、地域を本当の意味で「おこす」ことにつながっていきます。次回は、実際の活動をより活発にするためのコーチングとティーチングについて話をすすめていきたいと思います。

【著者プロフィール】
杤尾 圭亮(とちお けいすけ)
船井総合研究所 パブリック・イノベーションチーム マネージャー
総務省 認定地域再生マネージャー(平成22年度) 
総務省 認定地域創造アドバイザー(平成23年度)

2004年慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 修了後、船井総合研究所に入所。入所後から一貫して地域再生を志し専門部署「パブリック・イノベーションチーム」を設立。自治体、商工会議所などの公的機関に対するコンサルティングを行っている。得意分野は地域を含めた特産品等から創めるブランド化。おおむね5~10年間 地域にかかわりながら徐々に地域ブランドを進める手法を採用する。地域に密着して行うコンサルティングスタイルには定評がある。

【公式Web】地域ブランド創造:http://www.machiokoshi.net
【ブログ】地域活性化コンサルタント日記:http://blog.livedoor.jp/keisuketochio/


地方創生

杤尾 圭亮
株式会社船井総合研究所 プロジェクトマネジャー
経済産業省認定 中小企業診断士
総務省認定 地域再生マネージャー(平成22年度)
総務省認定 地域創造アドバイザー(平成23年度)

2004年慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 修了後、船井総合研究所に入所。入所後から一貫して地域再生を志し専門部署「パブリック・イノベーションチーム」を設立。自治体、商工会議所などの公的機関に対するコンサルティングを行っている。得意分野は地域を含めた特産品等から創めるブランド化。おおむね5~10年間 地域にかかわりながら徐々に地域ブランドを進める手法を採用する。

【公式Web】地域ブランド創造:http://www.machiokoshi.net
【ブログ】地域活性化コンサルタント日記:http://blog.livedoor.jp/keisuketochio/