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グローバル戦略とは

戦略とは会社としての大きな方向性を定めることである。
大きな方向性とは、ドメインであったり、マーケットであったり、カテゴリであったり、商品だったり、価格だったりする。

今ではPPM、5Force、4C、3Pなど戦略策定のためのフレームワークが確立されており、戦略策定はもはや外部に委託するのではなく、自社内で行うものとなってきている。

その一方で、海外市場向けの戦略ということになると、最近までは、自社ではなく、シンクタンクまたはコンサルティング会社の力が必要となることが多かった。海外市場の場合、日本と違って簡単に情報を入手できない事項が多く、すでに進出しているシンクタンクまたはコンサルティング会社の情報網を活用しなければ、グローバル戦略を構築することはできなかった。

例えば、5年程前から中国への日系企業の取組みとして顕著な傾向として、統括会社(中国の会社法上地域本部と呼ばれる)を設立して、現地での指揮命令系統を構築し、意思決定を現地で行うことができる仕組みを構築することが戦略として行われてきた。地域本部を設立する場合は、まず地域本部自体与えられている優遇税制、域内(中国)会社の収益の計上方法や税金の支払いといった税制面の内容を把握しなければならない上、各省市区レベルとの人間関係の構築、各地での人材の採用や労働法・労働契約法といった法制度の把握などを、必ず抑えておかなければ、意思決定ができない。

しかし、近年、その傾向に変化が現れ始めている。ノウハウが共有化され、海外市場への取組みが昔ほど難しくなくなってきたがある。各国の税制はJETRO等で簡単に調べられるようになった。税制や法制といったことの調査に手間がかからなくなったために、従来はそういった事項の調査に注力していたものを、生の市場調査への注力にするように変更するケースが増えている。

実際、弊社には、毎週のように、新しい市場調査の相談をいただいているが、その内容は、「現地で部品を調達したいが、どういったメーカーが、それぞれ何社くらいあって、どういった価格帯で、購入できるのか」、とか、「新しくどこどこの市場に参入したいが、市場規模はどれくらいで、競合は、どこか、さらには、主たる顧客の候補はどこで、自社のこういった製品にその顧客候補は興味を持ちそうかどうか」、というかなり具体的な相談である。そして、そのご相談は、実はすでに現地に拠点を構えて当該市場への取組みを行われている大企業の方々から寄せられることが多い。

例えば、アジア市場では、競合は、欧米企業だったり、アジア企業だったりする。欧米企業のドメインとアジア企業のドメインは全く異なるため、アジア市場に取り組むにあたっては、自社がどのドメインに対して取り組むかを明確にしなければならない。従来は、そのドメインは、それぞれのカテゴリの競合企業の品質や価格帯、そしてターゲットユーザーの満足度を調査することなく、仮説に基づいて、ドメインが決定されてきた。

しかしながら、最近の日系企業は。ただ漠然と把握している情報ではなく、マーケット規模を定量的に算出し、そのマーケットの成長性を把握し、そこで自社が将来的に得られるであろうシェア、そしてそこから得られる収益を算出した上で、当該市場への取り組み方や、そこにかけるリソースを定めるようになっている。日系企業が、本当の意味でのグローバル戦略に力をかけるようになってきるといえる。

弊社でも、こういったグローバル戦略の策定に携わられていただくことが多いは、緻密な市場調査を行った結果、出てくる結果は、ワクワクするような、ポジティブな結果であることが多い。そして、その市場への取組みが、実はハードルがそれほど高くないということも分かる。

縮小して、パイの奪い合いとなっている国内市場での戦略構築と、成長している海外市場での戦略構築では、出てくる結果が全くことなる。ぜひ皆様にも、一度グローバル戦略の構築を検討していただきたいと思っている。