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海外現地法人のマネジメント

昨年11月に部品加工メーカー向けの東南アジア視察ツアーを開催した。
タイ・バンコクへの視察も検討していたが昨年の洪水の影響でタイへの視察は断念せざるを得なくなり、
結果として、マレーシアとべトナムの企業を視察させていただいた。

ただし、今回の視察ツアーの企画段階も含めて、
もともとタイで視察させていただく予定だった企業、
さらに毎月中国に行っている関係上、そこでヒアリングさせていただいた企業も含めると、
タイ2社、ベトナム2社、マレーシア2社、中国2社の合計8社の現地企業に、
現地でのマネジメントについてヒアリングさせていただくことができた。

各現地法人のマネージャーへのヒアリングを通じて、
海外現地法人の抱える課題として、現地での人件費の高騰、
インフラ面での不備、現地スタッフのマネジメントといった点があることがわかった。

中でも、特に、各社が共通で当初手を焼き、苦労して解決してきたのが現地スタッフのマネジメントである。

例えば、ベトナムの工業団地ではストライキが問題となっていたり、
マレーシアでは、マレー人とマレーシア以外の出稼ぎ労働者の格差が問題となっていたり、
タイでは突然会社に来なくなる従業員や働く気のない従業員が問題となっていていたり、
中国では、そもそも日本人管理職の指示には最初から従うつもりなど全くないという姿勢が問題となっていたりする。

こういった中で今回ヒアリングさせていただいた企業は様々な工夫をしている。

例えばベトナムのA社は公用語を日本語とし、日本語を身につけなければ、技術を身につけることができないような仕組みにしている。
そしてひとたび日本語と技術を身につければ、他社よりも良い待遇を得られることができる。

しかも、入社して3ヶ月間、みっちりと先に入社した現地スタッフから日本語を教わる。
ベトナム人がベトナム人に日本語を教えることで、日本語への抵抗感が薄れ、
また日本語を身につけた社員は愛社精神が高まるという良い相乗効果が生まれている。

タイのB社は、毎年、従業員をチーム分けしてQCコンクールを行い、
優勝したチームは日本の親会社に訪問できる権利を獲得できる。
普段は真剣に仕事をしないタイ人でも、
イベントとなるとびっくりするくらいのパワーを発揮するとことに現地日本人マネージャーが注目し、
こういった制度を導入すると、現地スタッフが団結力を高め、自発的にどんどん仕事に取り組むようになった。

マレーシアのC社は、2003年からBest Employees of Monthという制度をはじめ、
毎月ベストスコアには賞金を出すようした。
さらに、スコアを公開、そのスコアが人事考課の7割を占めるように、オープンな環境とした。
さらに、マネージャークラスには、車まで手配している。
現地従業員もがんばれば日本人駐在員並みの待遇を得られるので、従業員のモチベーションが上がっている。

中国のC社は、現地のワーカーを指導する際にかならず中国の責任者を通じて行うようにする。
中国のワーカーすべてを自分で管理することはできないため、自己の右腕となる中国人責任者を育て、その中国人責任者が現地のワーカーに対して力を発揮できるような環境とすることで、数多くの中国人をマジネメントしている。

上記のいずれの事例にしても、現地スタッフの主体性・自立性をいかに引き出すかということがポイントになっていることがわかる。

海外でのマネジメントは、言語の違い、国民性の違い、離職率の高さ、技術習得のスピードなど様々な課題があるが、
結局、成功している企業は、共通して現地スタッフのモチベーションを上げることに成功している。
アジアの日系企業それぞれの取り組みを見ることで、海外市場での取り組みのポイントを学ぶことができる。

今年も5月に再び東南アジア視察ツアーを企画している。
今年は、昨年行くことが出来なかったタイと、成長著しいインドネシアを視察する。

実はこの執筆をしている今現在、インドネシアにいる。
二輪車市場から四輪車市場にまさに移り変わろうというタイミングであり、
あらゆる部品産業・機械産業が盛り上がっている。まさに今躍動の時という表現がふさわしい。

アジア市場への取り組みを考えている方には、ぜひ今回の東南アジア視察ツアーに参加いただき、
急激な成長を続ける経済と、そこで取り組む日系企業の取り組み、
さらには、今回は、現地自動車部品メーカーへも訪問するため、現地資本企業の現状をぜひその目で確かめていただきたい。