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アフリカ市場の魅力

1.30年後の世界最大市場「アフリカ」
この先10年で見た場合、世界市場の成長を牽引する最大市場は、間違いなくアジア新興国であるといえます。しかしながら、中国の人口も2020年には減少に転じるといわれており、アジア新興国全体の人口でも、アジアの人口も2035年には頭打ちになるといわれています。

そしてこの先30年で見た場合、世界市場の成長を牽引する最大市場は、アフリカであることは間違いないでしょう。2050年の人口予測はアフリカ大陸だけで20億人を超えると見られています。アフリカ諸国の一人当たり国民総所得の水準は、赤道ギニア、リビア、セイシェルでは1 万ドルを超えており、これらの国はブラジル、ロシア、インド、中国(BRICs)よりも国民一人当たりのGDPは高く、さらに中国よりも国民所得が高い国が、アフリカ大陸の中にすでに11カ国存在しています。それらの国はまだ高い成長性を維持していることからも、アフリカの潜在性は容易に想像できると思います。

さらに、アフリカ大陸の面積は、EU全体、アメリカ、インド、中国、アルゼンチン、ニュージーランドの面積の合計よりも大きく、その潜在性は計り知れません。そしてすでに原油も天然ガスも掘りつくした感がある中東地域と異なり、アフリカ大陸では新たしい油田や天然ガス田が発見されており、今まさに大規模開発にこれから着手しようというタイミングです。

また、アフリカでは、ほとんどの国で英語かフランス語が通じます。ポルトガル語圏の国もありますが、それらの国でも現在ほぼ英語が通じます。民族的に多様な背景をもつアフリカの国々では、英語またはフランス語を公用語としている国が多く、ビジネスをする上で、言語面でのハードルが極めて低いのも、アフリカの特徴の一つです。

2.アフリカ市場に未着手の日本
また、多くのアフリカの人々が、日本を愛しています。アフリカ全域でMade in Japanの信頼性が確立されています。日本の中古車が中東経由でアフリカ大陸に入っており、どれだけ乗っても壊れない日本の中古車はアフリカでは一種のステータスになっています。また国際協力機構(JICA)が多額の経済支援を行い、それによって道路やプラントや建設などのインフラ環境が整備されてきたために、多くのアフリカの人々は日本人に感謝しています。

その一方で、アフリカ市場に取り組んでいる日本企業は未だ少ない状況です。アフリカ最大市場である南アフリカに在住する中国人は40万人、日本人は1400人。桁が2つ異なります。中国はアフリカ大陸で鉱山を丸ごと購入し、その鉱山に中国人が何万人と移住して開発に携わるといったことを行っていますが、日本の場合は、一部のグローバル企業や商社が、リスクをもって単独で進出して、ものづくりを立ち上げている、という状況です。まだまだ、日本企業は、アフリカ市場でできることがたくさんあります。

3.アフリカ市場への取り組み方
とはいえ、アフリカ市場への取り組みは簡単ではありません。アフリカ全体での潜在性が非常に高いとはいえ、各国はそれぞれ別の国で、国をまたげば税金もかかります。また、外資企業が進出した場合、その法人税が35%を超えている、といった国も少なくなく、外資企業にとって必ずしもビジネスを行いやすい環境とはいえません。さらに、南アフリカのように、Black Economic Empowerment(BEE)といった雇用における黒人優遇政策を定めている国もあり、そういった制約を考慮しながら、海外市場で自社の戦略を組み立てていくことは、一般の企業にとってはハードルが高いといわざるを得ません。

それでは、アフリカ市場に対してどのように取り組むのが望ましいのでしょうか?私はアフリカ市場を、東アフリカ共同体(ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ)、南部アフリカ関税同盟(南ア、ボツワナ、ナミビア、レソト、スワジランド)、西アフリカ経済通貨同盟(コートジボワール、ブルキナガソ、マリ、ニジェール、トーゴ、ベナン、セネガル、ギニアビサウ)、エジプト、ナイジェリア、モロッコ+チュニジアに分けて、その中で自社にとってもっとも市場の魅力度が高いエリアまたは国から順番に取り組んでいくことをお勧めしています。例えば、東アフリカ共同体の国の人口合計は、1.4億人とそれだけで日本の人口を超えています。

この巨大な人口をもつ経済圏内では、EU同様に域内関税撤廃と、域外共通関税適用がすでに実現されており、一つの経済圏として考えることができます。このように、アフリカの特定の地域・国に最初に基盤をつくることで、将来のアフリカ全体への展開足がかりとすることができ、投資もリスクも最小限に抑えることができます。

4.すでに他国はアフリカ戦略を確実に構築している
アフリカは、日本にとっては地球の裏側にある遠い国ですが、欧米にとっては、遠い国ではありません。日本企業が東南アジア市場に注力し、欧米企業よりも優位にたっている間に、欧米諸国の企業はアフリカ市場での足固めをしっかり行っています。10年先だけを見るならば、日本企業はアジア市場に注力していればよいと思いますが、30年先を見るならば、アフリカ市場は無視できません。

すでに、アフリカ発の世界企業も誕生しています。今、アフリカ市場に取り組むか、それとも10年後に取り組むか?それは、30年後に大きな差となって現れます。世界を目指す企業には、ぜひ今の段階から、アフリカ市場に取り組んでいただきたいと思います。