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次に外資が群がるのは中央アジア!? 世界が注目する「鉱物資源の宝庫」 の実力

前回の私の記事では、日本国内だけでなく、広くグローバルに視野を拡げていくことも富裕層ビジネスを考えていく上で必要なことであると述べ、これまで多くの話題を提供してきた中東地域のドバイを取り上げた。

今回も引き続きグローバルな話題をご提供するべく、私がここ数年、よく政府関係の仕事で訪問し、近い将来、政治・経済的に注目されると考えている中央アジア地域を取り上げてみたい。

■ 日本人には馴染みの薄い中央アジア

中央アジア地域と聞いて、読者の皆さんはこの地域がどのあたりに位置し、そこにはどういった国があるのかすぐに思い浮かべることができるだろうか。おそらく、よく分からずに「???」という方が多いのではないだろうか。

中央アジアを多少知っている人からは、その地域の印象としてシルクロード、天山(テンシャン)山脈、三蔵法師といった答えがかえってくるが、それ以上はよく分からないという人が多い。

例えば中央アジア地域にはキルギスという国があるが、私が「先日、仕事でキルギスに行ってきました」と言うと、多くの方からは決まって、「それってどこの国ですか?」と分かってもらえないことが多い。なかには、「えっ? キリギリス?」と聞き返されることもあるが、それほど、多くの日本人にとっては馴染みのない国、地域の1つとなっている。

333_2次に外資が群がるのは中央アジア!? 世界が注目する「鉱物資源の宝庫」 の実力

実際、多くの日本のビジネスマンにとっても米国や欧州、東南アジアといった既に日本人がビジネスで頻繁に訪れている地域とは異なり、日本では政府機関と、一部の総合商社などを除いて、日本人はビジネスではほとんど訪れる国ではないので馴染みがないのも当然かもしれない。私自身、2003年に初めてこの中央アジア地域を訪れるまでは、ほとんどこの地域についての知識を持ち合わせていなかった。

中央アジア地域の国々は、今でこそ「価格の自由化」、「WTOへの加盟(キルギス)」といったように市場経済への移行を図りつつあるが、1991年にこの地域の各国が独立するまでは、旧ソ連の計画経済の制度の中に組み入れられていた。このことも市場経済の中で生活する我々、日本人にとっては中央アジア地域の馴染みを薄くさせる原因の1つになっていたことも事実である。

■ 中央アジアは天然資源の宝庫! 新たなビジネスチャンスの予感

先に触れたキルギス以外にも、中央アジア地域とは、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタンといった国々であり、1991年の旧ソ連崩壊以降に独立した旧CIS諸国を指すが、その中でも、カザフスタンという国については、「詳しくは分からないが、国の名前は聞いたことがある」と思われた方もいらっしゃるのではないだろうか。

実際、ここ数年、カザフスタンを含めた中央アジア地域が日本のメディアに取り上げられる機会も増えてきているように思う。例えば、2006年8月に当時首相であった小泉純一郎氏がカザフスタン及びウズベキスタンを訪問、翌年の2007年4月には、当時の経済産業大臣であった甘利氏も、合計29の機関と企業(総勢150名)からなる官民合同ミッションと共にカザフスタンを訪れている。

国会議員で中央アジアと関連したところでは、衆議院議員の小池百合子氏も「中央アジア・コーカサス研究所」の理事長を務めていることをご存知の方は少ないのではないだろうか。

その他、中国、欧州をはじめ世界の要人がカザフスタンをはじめとした中央アジア地域に対して積極的にアプローチをかけており、1991年の旧ソ連崩壊以降、カザフスタンへのFDI(海外からの直接投資)もオランダ、米国、オーストリアなどを中心に約800億ドルに上るとの試算もある。

ではなぜ、外資を含めて中央アジア地域への関心が高まっているのか、その主な理由の1つは、この中央アジア地域が、今話題のレアメタルを含む世界的にも有数な天然資源の宝庫となっているからである。

例えば、カザフスタンの天然資源だけ見ても、世界の石油埋蔵量の3.3%(世界7位)、ウランも18%(世界2位)と試算されている。その他にも埋蔵量で、ボーキサイト、クロームが世界1位、タングステン、リンが世界2位など豊富な鉱物資源がこの地域に眠っている。

現在、世界各国では電子材料、燃料電池等に使用されるレアメタルの需要が増え続けており、多くの企業ではその安定した供給先の開拓に力を入れているが、中央アジア地域はチタン、アンチモンといった多くのレアメタルの宝庫でもある。そして、多くの外資系企業は、この地域の豊富な鉱物資源への高い関心から積極的な投資を行っており、ここ最近では、日本企業も商社、電力会社、メーカーなどがカザフスタンを中心に徐々に中央アジア地域への投資を進めている。

昨年キルギスを訪問した際、首都ビシケクで、EBRD(欧州復興開発銀行)関係者から入手した情報では、キルギスにおいては2009年の段階で、22の鉱山に対して、約10の海外諸国が出資を表明しており、その数は今後も増えることが予測されているとのことであった。

加えて、中央アジア地域は単に資源開発・供給国という位置づけだけではなく、カザフスタンの人口は、約1500万人、ウズベキスタンは約2600万人の市場が存在するということからも、近い将来、日本を含めた他の諸国にとってもそれなりの市場に成り得る可能性があるのではないかと私自身、考えている。

実際に、ウズベキスタンの首都のタシケント、カザフスタンの首都のアスタナやアルマティといった都市では、自動車、電化製品、アパレル、食材などの製品、商品が欧州、ロシア、中国等から多く流入し、私の目で見た感覚であるが、その種類と量はここ数年、現地を訪問する度に大きく増えているように感じられる。

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私が主宰する「富裕層ビジネス研究会」のパートナーでもあり、海外に在住しているある日本人経営者も、昨年この中央アジア地域に大きな将来性を感じ、キルギスに新会社を設立した。そして、その経営者は現在、キルギス政府のアドバイザリーも務め、日本と中央アジア地域の架け橋となるべく積極的な活動を開始している。私自身、多少なりとも中央アジア地域に関わっている立場として、できうる範囲でこの活動をサポートしていければと考えている。

■ 日本人のルーツは中央アジア!? 実は親しみと将来性に溢れる地域

中央アジア地域は日本から地理的にも遠く、一見すると日本人には縁遠く思われる地域だが、実は以外と日本との結びつきが強い地域であることに、これまで私自身も驚かされてきた。例えば、ウズベキスタンなどではイスラム教のモスクを見る機会も多いが、これらモスクのいくつかは、神秘的で美しいブルーのタイルで作られている。そして、長い時間と歴史の経過とともに、このブルーのタイルは劣化してくるが、実はその修復に日本の九谷焼の技術が使われていたりする。

また、ある医療研究チームがキルギス人のDNAと日本人のDNAには共通する部分があることを発表したという話を現地の政府関係者から聞いた。これが事実であるとすると日本人のルーツは中央アジアと共通するということになるが、確かにキルギスなど中央アジア地域に行くと、見分けがつかないくらい日本人の顔つきによく似た人を見かけることが多い。またある時は、私自身も現地の人から中央アジアの人間と間違われたこともある。

加えて、カザフスタンの首都はもともとのアルマティから1997年にアスタナに遷都されたが、この首都のアスタナは日本の建築家であった黒川紀章氏のデザインのもと、今なお都市開発が進められている。私も何度かアスタナを訪れたが、1つ1つの建物のデザインも斬新で近代的な都市建設が進められているという印象を受けた。

数年前、この未来都市のアスタナを元サッカー日本代表の中田英寿氏も引退後に訪れ、非常に興味深い地域であったと、ある雑誌のインタビューでも語っている。

このように実は、中央アジアと日本との関係は意外に接点も多く、中央アジアを知れば知るほど、この地域に対して親しみが湧いてくることも事実であり、これと合わせて、先に述べた豊富な鉱物資源の存在などからも、この地域の将来的な可能性を私自身、感じざるを得ない。

引き続き、中央アジア地域に関わっていく中で、今後の動向を見極めたいと考えている。

た、今年は私の主宰する「富裕層ビジネス研究会」の中の分科会として、「中央アジア研究会」の立ち上げを予定しており、将来的に中央アジア地域と日本におけるビジネスの可能性をも探っていきたいと考えている。多少なりとも興味、関心のある方はお問い合わせを頂きたい。