笠井 清志(2009/06/19)
コンビニで買物を終えると、商品と一緒に手渡されるレシート。時々、お釣りがない時にレシートを渡してくれない店員がいたりします。店によって、店員によって対応が違うレシート渡し。ではいったい、レシート渡しのルールはどうなっているのでしょうか。
基本的なことですが、レシートは商品を購入したことを証明するためのものとして客に渡します。ですから、店としてはレシートは基本的に必ず渡さなければいけません。
ですが現実には、レジ前におかれている「レシート箱」(客がいらないレシートを捨てる箱)には捨てられたレシートが山盛りになっています。
コンビニで働くアルバイトは当然のように「レシートをお釣りと一緒に渡すように」と教育されていますが、客の方が「レシートは結構です」と断るケースが多いのです。特に朝の時間帯はその傾向が顕著です。朝の時間はどうしても忙しく、早く買い物を終わらせたいと考えているからです。
以前、某店舗でどれだけレシートを渡しているか調査したことがあります。防犯カメラの映像をチェックして数えました。その結果、8割はレシートをしっかり渡していましたが、2割はレシートを渡せていませんでした。
お釣りがない場合、レシートを受け取る前に商品を手にして店を出てしまう人もいるため、忙しい朝の時間帯だけに絞れば、渡していないケースが5割を超える結果がでました。
これは問題です。レシートがしっかり渡せていないと、後々、返品や交換の際にトラブルになってしまう可能性が出てきます。そうしたことがないよう、コンビニチェーンの本部や店長はレシートを100%しっかり渡すように指導していますが、実態は残念な結果が出てしまいました。
こうした実態を踏まえ、某コンビニ本部では、レシートを100%渡すことを目標にし、本部の経営指導員(スーパーバイザー)が店舗を巡回してレシート渡しが徹底されているかどうかのチェックをするようにしました。
また別の某コンビニ本部での取り組みですが、このチェーンでは逆の取り組みを行ってみました。
ある時、「いつもレシートを渡されるが、私には不要だ。レシートが不要な客用に『不要レシート入れ』をレジに設置して欲しい」という電話が、客から本部のお客さま相談室にかかってきました。
それを受け、このチェーンでは全店舗のレジに不要レシート入れを設置することにしました。この試みはお客さまの声を活かした事例としては良いのですが、私には本来の目的を履き違えてしまった事例に思えて仕方がありません。
私個人の考えとしては、レシートは100%しっかり渡して持って帰ってもらうことが正しい姿で、客から「いらない」と言われない限りはきちんと渡すべきだと思っています。
確かにいらないレシートを捨てるゴミ箱がある方が便利だと思うかもしれません。けれどもそれをやってしまうと、不要なトラブルを招く危険性を高めるだけなような気がしています。
さらに、設置されたレシート入れは、不要のレシートで溢れ返っていることも多く、レジの前のイメージが悪くなります。
コンビニはただでさえ従業員と客のコミュニケーションが少ないのですから、単にレシートを渡すだけにしても、コミュニケーションを取れる場面を大事にした方がよいとも思っています。
レシートの違った形の活用では、レシートの下部に「割引クーポン」を印刷しているサービスが徐々に浸透し始めてきました。ただしこれらのサービスを実現するためには、コンビニ従業員によるレシート手渡しが必要不可欠となります。
様々なサービスや取り組みを成功させるためにも、レジ接客の基本であるレシート手渡しは徹底してもらいたいものです。
◆◇◆ 執筆者プロフィール | |
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笠井 清志 船井総合研究所 戦略コンサルティング部 次長 複数の企業にてキャリアを磨き、船井総合研究所の経営コンサルタントとして従事する。コンビニ本部等の多店舗展開チェーン企業へのコンサルティングを中心に活動。クライアント先である「NEWDAYS」の平均日販を日本一に押し上げたことが話題になる。月刊コンビニ(商業界)にて連載を持つほか、著書に『ビジュアル図解 コンビニのしくみ』(同文館出版)や『よくわかるこれからのスーパーバイザー』(同文館出版)がある。 | |
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