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タイの百貨店

多くの日本人にとって、タイから連想するのは日本企業の生産基地であるという点だろう。
日本企業が多数進出し、自動車、家電、電子部品をはじめ多くの製品をタイで製造している。

しかし、タイにはそういった日本資本または欧米資本による製造業の生産拠点としての一面以外にも多数の見所がある。
ぜひ、そういった面にも注目していただきたい。

例えば、タイのBTSと呼ばれる高架電車の各駅には、多くの百貨店がある。
特に日本人の多いスクンビット地区やタイの中心部であるサイアム地区には、多数の百貨店があり、どの百貨店も大型である。

バンコクの人口は登録上の人口こそ600万人だが、
流動人口として、多数の外国人観光客や地方から出てきているタイの住民を合わせると、
1000万人前後いるといわれている。その消費をまかなうわけだから、莫大な消費力である。
数少ないBTSの駅にある百貨店はどこも一杯である。

これらの百貨店を見る限り、発展途上国とはとても思えない。

タイの代表的な百貨店であるサイアム・パラゴンでは、毎晩のようにイベントが行われているが、
タイ後ではなく、英語である。タイ人が英語をしゃべり、タイ人がその英語をタイ語に通訳している。

サイアム・パラゴンの1階の食料品売り場には、各国の製品がところ狭しと並んでいる。
まさにアジアを代表する百貨店であることを感じさせる。

そして、サイアム・パラゴンには、ベビーカーや荷物運びのサービスはもちろん、
どのような客でも安心してショッピングができるような気配りもなされている。

地下1階には巨大な水槽がある大型水族館もあり、多くの団体が来ているが、そういった団体が一般客のショッピングの雰囲気を壊すことはない。
広大な敷地の工夫されたレイアウトで徹底した気配りがなされているのである。

家電コーナーには、サムスン、東芝、ソニーといったブランドが、並んでいて、コーナー毎に販売員がいる。
アジアの百貨店に入っていつも残念なのは、その接客力だが、サイアム・パラゴンでは残念に思うことはない。
笑顔で迎えられ、去るときも笑顔である。

1階のレストラン街には、カシコン銀行の店舗が夜まで開いていて、
タイ・バーツの手持ちが少なかったとしても、そこで両替ができるので安心である。

中国・上海の正大広場も、タイ資本である。

正大広場といえば、ユニクロの浦東地区の旗艦店として、そしてユニクロのアジア最大級店舗として、大成功していることで有名な百貨店であり、
そしてユニクロだけでなく、多くの有名ブランドが入っていることで有名な百貨店であるが、
それだけでなく、正大広場に入ると、明らかにそのレイアウトが中国の他の百貨店と異なることが分かる。

地下鉄の駅から、どういうルートで客が入ってきて、どのように各店舗に分かれていくかを計算したレイアウトとなっているため、
訪れる顧客がワクワクするような構成になっているのである。
地下の駐車場へのアクセスも同じであり、タイの百貨店と同様、顧客目線が徹底されている。

タイの百貨店がなぜ訪れる人を魅了するのか? 
それは、気配り力があるからだと思う。
その気配り力は、日本や韓国と並んで、アジアでピカ一であり、シンガポール資本といえども、この点ではかなわないと私は感じている。

百貨店は、その国の文化を反映している。
各国への進出を考えている方には、ぜひ、進出する工業団地や、税制だけでなく、その国の文化を見て欲しいと思っている。
そして、そのためには、一度、ローカル百貨店を訪れてみるのが、一番だと思う。