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物流現場をマネジメントするためのKPI

物流マネジメントは、適切なKPIの設定から
KPIはさまざまな組織で活用されている指標で、日本語では重要業績評価指標と訳されます。このKPIは、物流マネジメントを行ううえでも基準となる数値です。KPIは、KGI(Key Goal Indicatorの略。業績目標達成指標)を追求するためのプロセスとして活用されます。KGIは売上高・売上高営業利益率に設定している企業が多いようです。物流現場をマネジメントするうえで、数値による管理は非常に重要です。人は、追及しなければいけない数値が明確であれば、それに向かって行動するようにできているからです。

また、PDCAサイクルマネジメントが有効なことから分かるように、人は、計画・実行・チェックされることにより改善するという特性があります。つまり、数値による評価が行われることによりマネジメントはうまく進んでいくのです。だからこそ、KPIの設定は慎重に行う必要があります。間違ったKPIが設定されていても、現場はそれを追求してしまい、会社の方向性とは違う方向に行くこともあるのです。KPIは荷主サイドと物流事業者サイドの指標があり、どちらの立ち位置かで指標の種類に相違があります。ただし、基本的な切り口は同じ、大きくは5つに分けることができます。

(1)コスト指標
(2)在庫指標
(3)サービスレベル指標
(4)返品指標
(5)物流条件指標

(1)のコスト指標の代表的なものが、売上高物流コスト比率です。これは企業の物流コストの総計を売上高で割り算した比率です。指標として一番の基本になるものですが、正確に把握している企業はけっして多くありません。日本ロジスティクスシステム協会(通称JILS)は毎年企業の売上高対物流コスト比率を調査しています。2014年度の調査では、売上高対物流コスト比率は製造業では4.67%、卸売業で4.87%、小売業で4.80%となっています。年度によって多少の差はありますが、近年ではおおむね5%弱の水準で推移しています。

あくまで平均値なので、この数値が絶対ではありませんが、業界平均を把握しているからこそ、自社の現在の状況が良いのか悪いのか判断することができます。業界の数値を知らずに、正しい物流マネジメントは出来ません。まずは経営幹部自ら、良く分からないと敬遠しがちな物流に関する数値に関心を持つことです。それが正しいKPI・KGI設定、マネジメント体制の構築につながります。

明日からは良く使われる物流KPIについて伝えさせていただきます。